小川三知を讃える会

明治・大正・ 昭和初期に活躍した日本におけるステンドグラス作家の草分け
『小川三知』(おがわ さんち)の作品を鑑賞して楽しむこと、またその作品についての調査、研究、保存、展示活動を行い
小川三知の作品と名前を100年後に伝えていくことを目的とした会です。

旧小川眼科医院 (黒澤ビル)

所在地:東京都台東区上野2-11-6

ステンドグラス制作者:小川三知
設計者:石原暉一
設計工事監督:石原建築事務所(技師石原暉一)
コンクリート工事:沼田組
竣工年:第1棟(現存)昭和4年、第二棟(現存せず)昭和6年
現 況:黒澤ビル(医院・住宅)として現存
文化財指定:国登録有形文化財


建築主の小川剣三郎(1871-1933)は医師小川清齋の三男として生まれた。三知のすぐ下の弟である。三知が医学の道に進まなかったためか、帝国大学医科大学(現東京大学医学部)を卒業した剣三郎が家督を継いだ。一旦静岡で開業したが、岡山医学専門学校(現岡山大学医学部)に教授として招かれ、ヨーロッパ留学を経て、明治45(1912)年上野池之端に小川眼科医院を開業した。現在の建物は震災後の新築で、義妹の夫黒澤潤三(東京帝国大学医学部卒)と共に医療にあたった。小川三知の親族が関係する建物で三知のステンドグラスが見られるのは、現在ここだけである。
※ 震災とは、大正12(1923)年の関東大震災のこと。
(記:藤森照信)



 

 

 

 

 
撮影:井村