小川三知を讃える会

明治・大正・ 昭和初期に活躍した日本におけるステンドグラス作家の草分け
『小川三知』(おがわ さんち)の作品を鑑賞して楽しむこと、またその作品についての調査、研究、保存、展示活動を行い
小川三知の作品と名前を100年後に伝えていくことを目的とした会です。

登録有形文化財 黒澤ビル(旧小川眼科病院) 1階扉建具ステンドグラス

所在地:東京都台東区上野2−11−6

修復期間:令和9年7月〜10月
修復担当: 藤原 俊(小川三知を讃える会 役員)
調査記録/協力:井村 馨 (小川三知研究家 小川三知を讃える会 役員)

建築に関する詳細
ステンドグラス図案及び製作 小川スツヂオ(小川三知)
設計者:石原暉一
設計工事監督:石原建築事務所(技師石原暉一)
コンクリート工事:沼田組
塗師工事・漆塗監督 松田 権六
彫刻製作 吉田三郎
竣工年:第1棟(現存)昭和4年、第二棟(現存せず)昭和6年
現 況:黒澤ビル(医院・住宅)として現存
文化財指定:国登録有形文化財
参考資料:医学博士小川剣三郎「実験眼科雑誌第十二年96号」470ページ 実験眼科雑誌社 1929年7月


黒沢ビルホームページ http://www.kurosawa-bldg.com/


 
修復後


 
修復後

 

 
2026年6月17日該当ステンドグラスの状況調査を行った。
2024年の調査時にも内部側に若干の撓みが見られた。
その後、扉の開閉の衝撃などで撓みが進行し、パネルの湾曲に伴い、
ガラスを支えている鉛製のケイムも切れかけている箇所も複数出てきた。
将来的にガラスが外れる恐れもある為、なるべく早めの修復の必要性があると判断した。
 
修復前 鉛製ケイムの切断

 
修復前 パネルの撓み

 
修復方法
作全体のガラス60ピースガラスのうち、破損が1ピースあり(鉛線解体時に更に2ピースの割れが発覚し為合計で3ピース)、パネルの湾曲とそれに伴う鉛製ケイムの接合箇所の断裂が6箇所。
近い将来ガラスがケイムから抜け落ちる可能性がある為、鉛線の全交換による組み直し修復を行なった、 破損ガラスは、割れが1箇所で接着剤による接着が可能な範疇と判断し接着補修を施した。
なお交換時に取り外したのケイムとガラスは作品当初のオリジナルの材料として貴重な資料となる為、作品と共に保管をした。


 
 
撮影:小川三知を讃える会